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糖尿病

糖尿病とは?

糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる代謝の病気です。
通常は膵臓から分泌されるインスリンが糖の取り込みを調整しますが、その分泌不足や作用低下により血糖値が上昇します。

初期症状は自覚がほとんどないため放置されやすいものの、進行すると血管や神経が障害され、目・腎臓・心臓など全身に深刻な合併症を引き起こす点が特徴です。
また、生活習慣や遺伝も発症に関与します。

糖尿病の基準値

糖尿病は4つの数値で評価され、1つでも基準を超えた場合は要注意サインです。
すぐに糖尿病と確定するわけではありませんが、再検査をすることが勧められます。
これらの数値は正常・境界・糖尿病の3段階で判断され、境界値は将来的に進行リスクのある「予備軍」と位置づけられます。

・空腹時血糖値
正常:70〜99 mg/dL
境界型:100〜125 mg/dL
糖尿病:126 mg/dL以上

・随時血糖値
正常:140 mg/dL未満
糖尿病:200 mg/dL以上

・75gOGTT(2時間値)
正常:140 mg/dL未満
境界型:140〜199 mg/dL
糖尿病:200 mg/dL以上

・HbA1c
正常:5.6%未満
境界型:5.6〜6.4%
糖尿病:6.5%以上

糖尿病の種類

糖尿病はひとつの病気に見えますが、原因や発症の仕組みによっていくつかの種類に分けられます。
それぞれで発症しやすい年齢や背景、治療方法が異なるため、正しく理解することが重要です。
ここでは代表的な糖尿病の種類について、特徴ごとにわかりやすく解説します。

1型糖尿病

1型糖尿病は、自己免疫などの影響で膵臓のインスリンを分泌する細胞が破壊され、ほとんどインスリンが出なくなるタイプです。
若年で発症することが多く、治療にはインスリン注射が不可欠となります。

2型糖尿病

2型糖尿病は、インスリン抵抗性によりインスリンの効きが悪くなることや分泌低下により起こります。
生活習慣や遺伝の影響が大きく、日本人の糖尿病の多くを占めるタイプです。

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病は、妊娠中に初めて発見される血糖値の異常です。
出産後に改善することが多いものの、将来的に糖尿病へ進行するリスクが高いため注意が必要になります。

その他の糖尿病

遺伝子の異常や膵臓の病気、薬剤の影響など、特定の原因によって発症します。
代表的なものに、若年発症成人型糖尿病(MODY)やステロイド薬による糖尿病などがあります。

糖尿病の症状

糖尿病は、初期の段階では自覚症状がほとんど現れないのが特徴です。
そのため、気づかないまま進行し、重症化してしまうケースも少なくありません。

血糖値が高い状態が続くことで、徐々に体の変化として症状が現れてきます。
症状の有無にかかわらず、定期的な検査で早期に気づくことが重要です。

糖尿病の気づきやすい初期症状
のどが異常に渇く
尿の回数や量が増える
疲れやすい、だるさを感じる
食べているのに体重が減る
目がかすむ
手足のしびれや違和感がある
皮膚が乾燥する

糖尿病の要因

糖尿病は、ひとつの原因だけで発症するわけではなく、生活習慣などの環境要因と遺伝的な要因が複雑に関わって発症すると考えられています。
様々な要因が重なることで、血糖値をうまくコントロールできなくなり、糖尿病へと進行していきます。
以下で主要な要因を解説します。

環境による要因

日々の生活習慣は糖尿病の発症に大きく影響します。
特に、食べ過ぎや偏った食事、運動不足、肥満、ストレス、睡眠不足などは血糖値の上昇を招きやすく、発症リスクを高める要因となります。

遺伝による要因

糖尿病は体質的な影響も受ける病気です。
家族に糖尿病の人がいる場合、そうでない人と比べて発症リスクが高くなる傾向があります。
特に日本人はインスリン分泌が弱い体質の人が多いとされ、遺伝的な背景も発症に関係していると考えられています。要因となります。

糖尿病の合併症

糖尿病は、血糖値が高い状態が続くことで血管や神経にダメージが蓄積し、全身にさまざまな合併症を引き起こします。
合併症は進行の仕方や原因によっていくつかに分類され、それぞれ症状やリスクが異なります。

細小血管障害

細い血管(毛細血管)がダメージを受けることで起こる代表的な合併症です。
頭文字を取って「しめじ」と呼ばれることがあります。

・神経障害
高血糖によって神経に栄養を送る細い血管が傷つき、神経の働きが低下します。
初期は足先のしびれや違和感から始まり、進行すると感覚が鈍くなり、ケガややけどに気づきにくくなります。
さらに悪化すると歩行障害や自律神経の異常による立ちくらみ・便秘などを引き起こすこともあります。

・網膜症
目の奥にある網膜の毛細血管が障害され、出血や血流異常が起こります。
初期はほぼ無症状ですが、進行すると視界のかすみや視力低下が現れ、最終的には失明に至ることもあります。 日本では失明原因の上位に入る重要な合併症です。

・腎症
腎臓のフィルター機能にあたる糸球体が高血糖によって壊れていくことで、老廃物をうまく排出できなくなります。
初期は自覚症状がほとんどありませんが、進行するとむくみや倦怠感が現れ、最終的には人工透析が必要になるケースもあります。 日本の透析導入原因の上位を占めています。

大血管障害

高血糖によって血管が傷つき、動脈硬化が進行することで起こる合併症です。
ある日突然発症し、命に関わるケースも少なくありません。
頭文字を取って「えのき」と呼ばれることがあります。

・足の壊疽
血流が悪化することで足先に十分な酸素や栄養が届かなくなり、組織が壊死する状態です。
神経障害によって傷に気づきにくいことも重なり、感染が広がると切断が必要になる場合があります。

・脳梗塞
脳の血管が詰まり、脳の一部に血液が届かなくなることで発症します。
片側の麻痺や言語障害などの後遺症が残ることがあり、生活に大きな影響を及ぼします。

・虚血性心疾患
心臓に血液を送る血管が狭くなったり詰まったりすることで、狭心症や心筋梗塞を引き起こします。
胸の痛みや圧迫感が主な症状ですが、糖尿病の場合は痛みを感じにくいケースもあり、発見が遅れることもあります。

急性合併症

短期間で血糖値が大きく乱れることで発症し、放置すると命に関わるため、早急な対応が必要な状態です。
高血糖の状態で適切な治療が行われない場合、意識障害や昏睡に至ることがあります。

・糖尿病性ケトアシドーシス
インスリンが不足すると、体は脂肪を分解してエネルギーを作ろうとし、その過程でケトン体が増加します。
これにより血液が酸性に傾き、吐き気や腹痛、意識障害などを引き起こします。
若年層や1型糖尿病で起こりやすいのが特徴です。

・高浸透圧高血糖状態
極端な高血糖によって体内の水分が失われ、強い脱水状態になります。
意識障害やけいれんを伴うこともあり、高齢者に多く見られます。
発症時はすでに重篤な状態であることが多いのが特徴です。

その他の合併症

・感染症
高血糖状態では免疫機能が低下し、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱くなります。
肺炎や尿路感染、皮膚感染などが重症化しやすく、治りにくいのが特徴です。

・がん
糖尿病は慢性的な炎症や代謝異常の影響により、一部のがん(肝臓・膵臓・大腸など)の発症リスクが高まる可能性が指摘されています。

・骨折
骨密度だけでなく骨の質も低下しやすくなるため、転倒時に骨折しやすくなります。
特に高齢者では、その後の寝たきりリスクにもつながるため注意が必要です。

糖尿病の症状

糖尿病は自覚症状が出にくい一方で、以下のようなサインがみられることがあります。

健診で血糖値が高いと指摘された
のどの渇きや水分摂取が増えている
トイレの回数が増えている
疲れやすさやだるさを感じる
食べているのに体重が減ってきた
視界がぼやけることがある
手足のしびれや違和感がある
生活習慣が乱れている

これらに当てはまる場合、糖尿病が関係している可能性があります。
特に健診で異常を指摘された場合は、自覚症状がなくても放置せず、医療機関で検査を受けることが重要です。

糖尿病の治療方法

糖尿病の治療は、血糖値を適切にコントロールし、合併症の発症や進行を防ぐことを目的に行われます。
基本となるのは生活習慣の改善であり、必要に応じて薬物療法を組み合わせていきます。

食事療法

血糖値のコントロールにおいて、最も基本となる治療です。
栄養バランスのとれた食事を心がけ、適正なエネルギー摂取を維持することで、血糖値の上昇を防ぎます。
過食や偏った食事を避け、規則正しい食生活を続けることが重要です。

運動療法

運動によって筋肉がブドウ糖を取り込みやすくなり、血糖値の改善につながります。
ウォーキングなどの有酸素運動を中心に、無理のない範囲で継続することが大切です。
肥満の改善やインスリンの働きを高める効果も期待されます。

薬物療法

食事療法や運動療法だけでは十分な効果が得られない場合に行われます。
飲み薬やインスリン注射などを用いて血糖値をコントロールします。
患者の状態に応じて適切な治療法が選択されるため、医師の指導のもと継続することが重要です。

糖尿病のよくある質問

糖尿病を放置するとどうなりますか?

糖尿病を放置すると、高血糖の状態が続き、血管や神経がダメージを受けていきます。
その結果、目・腎臓・神経の障害や、心筋梗塞・脳梗塞などの重い合併症につながる可能性があります。
また、血糖値が著しく高くなると、意識障害や昏睡など命に関わる状態に至ることもあります。

血糖が高いと言われたらすぐに受診すべきですか?

必ずしも緊急ではない場合もありますが、基本的には早めの受診が推奨されます。
特にHbA1cが6.5%前後以上、または自覚症状(のどの渇き・多尿・体重減少など)がある場合は、早めに医療機関での評価が必要です。

糖尿病はどのくらいから危険ですか?

糖尿病は軽度の段階では自覚症状がほとんどありませんが、血糖値が高い状態が続くことでリスクが高まります。
特にHbA1cが6.5%以上は糖尿病の診断基準とされ、さらに8%以上になると合併症のリスクが高くなるとされています。

糖尿病は薬を飲まないと治らないですか?

必ずしもすべての人が薬を必要とするわけではありません。
特に初期の段階では、食事療法や運動療法によって血糖値が改善するケースもあります。
ただし、状態によっては薬物療法やインスリン治療が必要になるため、医師の判断に基づいた治療を継続することが重要です。

院長ご挨拶

森島小児科内科クリニック 森島 昭 院長

院長の森島です。
赤ちゃんの笑顔と泣き顔も大好き、そして、子供と遊びたくて小児科医になりました。
また、「礼に始まり礼に終わる」剣道の心でご老人に接して、会話を楽しんでいるからでしょうか、毎日が多忙でもストレスなく、勉強家でユーモアのある若い医師や医療相談員と共にこの地域の医療と患者様の健康を守っています。

略歴

昭和42年(1967年)順天堂大学医学部卒業 医学博士

  • 川崎市立有馬小学校校医
  • 川崎市立有馬保育園医
  • 川崎市立南野川小学校校医

所属学会・認定医など

  • 日本小児科学会員
  • 介護支援専門医(ケアマネージャー)
  • 日本医師会認定スポーツ医

経歴

  • 川崎市小児科医会会長
  • 神奈川県小児科医会副会長
  • 順天堂大学医学部小児科非常勤講師
  • 帝京大学医学部小児科非常勤講師
  • 宮前福祉事務所嘱託医
  • 神奈川県支払基金審査委員
  • 横浜地方裁判所民事調停委員

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